これまででてきた主な課題事項

★論点①

世田谷区平成26年度「認可保育所整備・運営事業者募集要項(提案型)」において、応募条件として、提案対象となる土地及び建物について、『保育所の整備にあたり近隣の理解が得られる土地、建物であること。』が明記されている。(尚、この内容の規定は現在の募集要項において削除されており、地域住民等への説明努力義務に後退している。)

 

⇒現行屋上遊戯場の是非も含め、定員145名〜150名規模の現行計画について、計画地近隣4街区の居住者の賛否行使書面により、9割の反対(理解が得られていない)結果を世田谷区長宛に昨年12月及び今年4月に正式に報告している。以上により、本整備現行計画は近隣の理解が全く得られていないことを世田谷区整備支援担当課長に申し入れると、近隣住民の100%の理解を得る必要がないと答弁したうえで、事業者に定員削減を指導することは事業者から訴えられるリスクがあり出来ないとも回答している。

 

★論点②

本年4月17日に世田谷区より派遣された交通専門家(東京工業大学鈴木工学博士)から、本計画地に至る通園路の交通事故リスクの高さが指摘され、全国初の園児乗せ自転車通行規制エリアの設定及び自動車通行規制ゾーンの提言が答申された。同報告提言を拠り所に、現在、今回の提言の実行と交通事故リスク抑制に資するとして定員規模の削減を求めている。

 

★論点③

保育所の園庭(遊戯場)については、平成14年厚生労働省規制の改正で、地上園庭での遊戯場が設置不可の場合には、代替設備として屋上を屋外遊戯場として認められているが、本件は通常規模の地上園庭(遊戯場)が確保されているにもかかわらず、定員145名を前提した園児一人当たりの園庭面積を確保するため、補助的に屋外遊戯設備を屋上に設置したものと考えられる。

これまで世田谷区内における第一種低層住居専用地域において、地上園庭が確保されていて屋上に園庭(屋外遊戯場)を設置した事例はない。そもそも低層住宅地域において、事業用の屋上遊戯施設は誰も想定していない。

 

さらに、当地域においては、玉川田園調布一・二丁目まちづくり協定があり、その第15条(プライバシー、静穏、清潔及び安全な生活の維持)で、居住者など協定の対象者は、建築物等の計画及び利用において、隣接居住者の静穏で清潔な生活を乱さないよう努めなければならない主旨が明記されている。

同協定を拠り所に、玉川田園調布住環境協議会に対し、事業目的での屋上利用制限について求めているが、同協議会会長、副会長ともこれまで住環境を守る使命を放棄し、これまで住環境協議会年次総会において、屋上利用制限と、交通事故リスク軽減のため定員削減を求める意見が多くだされているが、議長として敢えて採決せず、職務を全うしてない。まちづくり協定第5条(まちづくり目標)にある通り、住環境協議会の目的は「現在の環境の良さを保ち、改善することが、地区居住者のプラスとなるようにまちづくりを進めていく」という事であるが、それに反する行為であり、コンプラインス違反が疑われる事態となっている。 

 

★論点④

今回計画修正を難しくしているのは、事業者が土地を借入金で取得し、借入金返済を組み込んだ事業収支を前提に、保育の質を保つには定員削減は難しいという理屈を世田谷区保育整備支援担当課長が主張している点である。本来事業者の恒久財産である土地取得は、事業の安全性、健全性の観点から、これまでの保育事業での留保金、寄付金等自己資金を充当し、近隣の理解が得られる地域に相応しい適正規模での事業化を企図するものだと考える。