事業者の資質の問題

事業者主催説明会では、園外保育場所として地元では考えられない危険な田園調布駅前ロータリーを挙げたり、土地取得費回収ありきの一方的な説明など、数々の不信を招く発言がありました。

 

最も不信につながったのは、社会福祉法人ゆずの木 山口理事が説明会に於いて近隣住民になりすまし発言を行っていた事、そしてなりすまし発覚後、本事業を辞めたいが事業者側から取り下げることには支障があるので、近隣住民の計画反対書面の提出をして欲しいと依頼があった事です。この依頼を受けて、近隣4街区周辺住民の7割の署名を以て、事業者に現行大規模計画の見直しを求める文書を提出しました。2カ月以上回答がなく、近隣住民側からの内容証明による回答催促により、定員削減・交通安全対策をして計画自身は予定通り続行するとの答えでした。(しかしながら、その後、定員は161人から145人に1割減らすにとどまりこれ以上はできないと話し合いに応じず。世田谷区派遣の交通専門家による交通対策の厳しい提言を受けての交通対策は消極的なまま、工事着工。なし崩し的に開園を迎えようとしているのは明白です。)

 

高額投資(土地代)の資金回収を前面に、事業計画ありきの姿勢、建物も最大定員ありきの設計の為に、保育の質は二の次であり、計画の柔軟な変更は不可能になっています。

事前に計画地の地域事情も調査せず、最大延べ床面積を確保するために園舎は敷地の南側に建て、陽当たりの悪い北側に保育室、敷地北側に園庭が設けられています。北側の園庭と屋上の園庭の面積を足して保育に必要な屋外遊技場としていますが、1回目の説明会より屋上を基本的には使わないとの説明があるので、実質的には必要な屋外遊技場(園庭)が足りない計画になっています。徒歩10分圏内に公園もなく、屋外遊技場(園庭)の代替となる場所もありません。(最初の説明会から1年半経ってから、屋上を夏場のプールに使いたいとの話が突然出てきており、説明が変わってくるのも不信につながっています。)

 

また、昨年9月には、計画地の解体工事中に発生した深夜のガス漏れ事故(異臭騒ぎ)が発生しておきながら、解体業者からの謝罪のみで済ませ、事業者山口理事長の正式謝罪に4ヶ月を要しました。 

 

本件適用対象となる『平成26年度認可保育所整備・運営事業者募集要項(提案型)』の応募要件には「土地所有者が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条に掲げる活動をおこなうものでないこと。」「保育所の整備にあたり近隣の理解が得られる土地であること。(今年度よりこの条項は削除されました)」等、応募の資格には「施設を利用する保護者はもとより、地域との信頼関係を築ける事業者であること」等を満たすことが明記されています。しかしながら、数々の信頼を失う言動の積み重ねにより、近隣住民の理解と信頼は得られていません。そして、区の書面にあるからという以上に、近隣住民の理解と協力こそ福祉の根幹ではないでしょうか。近隣住民の理解をおざなりにして区の基準や建築法規に問題ないという一点で無理を通せば、何より福祉の根幹を社会福祉法人である事業者自らが阻害することになります。待機児童解消を大義として、交通安全問題、ましてや子供の命の安全を置き去りにすることはあってはならないと思います。