保育需要が低く危険な道路事情を抱えた場所に大規模定員であることの不合理性。

区によれば、玉川田園調布は保育需要が最も低いE区分に入り、数値すら公表されていないにも拘らず、145名もの定員数が世田谷区内の私立認可園平均実績人数に比して、いかに突出しているかは、別紙資料(「区内第一種低層住居専用地域にある私立認可保育園の敷地面積と定員数」)を見ても明らかです。

平成26年の公正取引委員会の「保育分野に関する調査報告書」では、保育を選ぶ圧倒的な理由は「家から近い」(76.7%)であり、家から遠い保育園は望まれるものではありません。世田谷区からは、当計画は2km圏からの通園を前提としているとの説明がありました。保育需要の最も低いエリアに位置する当計画は、多くの通園者にとって「家から遠い」不便な保育園になる可能性が高いことになります。

2km圏内の待機児童解消として、既に世田谷区で行っている「定員の弾力化」のもと、圏内9園ある既存認可保育園での増員や、既存園敷地内に仮設施設を増設、学校の空き教室利用、区内待機児童数の95%以上が2歳以下であることから小規模保育(02歳児のみの定員)への移行や増設、私立幼稚園利用、大規模集合住宅等、既存施設を一部活用する等の地域の事情及び地域環境に即した、多様な保育形態が方法として考えられます。待機児童早期解消の為には、今後益々多様で柔軟な整備計画の実践が急務です。

また、平成30年以降、世田谷区の未就学児童数は減少に転じる中(世田谷区発表の「未就学児の人口増加数と人口推計」)、一時的な待機児童解消の為には、多額の建設補助金を必要とする保育園の新規開設ばかりではなく、代替可能なあらゆる既存施設の利用と同時に、保育士の待遇改善等、保育士不足解消の対策に優先して公費を投入することです。

 

保坂区長の小規模の保育所があちらこちらに出来るのが良いとのお考え(昨年10/10車座集会)を借りれば、保育需要に応じて、必要な所に必要な形で必要な数を備えた整備計画が急務であると考えています。